水素商材の市場動向についての調査の結果、メーカー出荷金額ベースによる市場規模は2021年で約208億円、2022年では約211億円(前年比1.2%増)でした。ここに日本トリムやパナソニックなどのメーカーが電解水素水整水器として販売している「アルカリイオン整水器」を加えると、市場規模は400億円前後と推計されます。
ただし水素商材の多くがニーズを拡大した一方、カプセル不足や中国のロックダウンなどの外的要因によって製品開発面で支障をきたし商機を逸す場面も多かったようです。
アイテム別に見ると、好調だったのは2021年と同様に水素吸入器とのこと。特に、医療機関や治療院などに導入されることが多い業務用水素吸入器が売上を伸ばしています。
次いで、レンタル水素水サーバーや家庭で水素水を作れる水素水生成器、電解水素水整水器などのアイテムも好調を維持。中でも、理美容店で使用するほか物販用として置かれている水素ヘアートリートメントが人気です。近年在宅勤務する人が増えた影響から、水素水入浴剤も好評でした。
また、フィットネス施設に多く設置されている業務用サーバーを介した水素水の売上も回復傾向にあります。フィットネスクラブの売上高や利用者数は増えていて、現状クラブの8割がサーバーを設置されていることから今後も水素水の売上向上が期待できるでしょう。
水素吸入器の2022年市場規模は、推計30億円でした。前年より7%増とのことで、売上を伸ばしているいることがうかがわれます。大型機種は、総合医療を実践するクリニックでの医療サポートとして導入が進んでいて、業者の中には前年比5割前後と大幅に伸長した企業も。また、治療院やエステサロン、リラクゼーション施設などへの導入も増えています。
一方、携帯型や卓上型水素吸入器のメインユーザーは、アスリートやモデル、芸能人など。若者に人気の有名人がSNSを通じて情報を発信し一般ユーザーに広がりつつありますが、まだ認知度が低いのが現状です。今後どの程度一般的になっていくのか、一般ユーザーへの普及啓発が市場拡大のカギとなるでしょう。
水素商材は2015~2016年にメディアに散々バッシングされた過去を持っています。そのときは市場が崩壊し、苦い経験をしました。しかし、この数年で水素商材のエビデンスデータも充実し、現在水素吸入器をはじめとする水素商材は市場が拡大してきています。新型コロナの影響も徐々に薄れ、海外展開も復活の兆しがみられています。
水素ガス吸入器は本体で生成した水素ガス、または水素や酸素の混合ガスをカニューレなどで鼻や口から吸引するものですが、市場が拡大する一方、水素ガス吸入器のカニューレの使用や販売手法などに対して、慎重を期するべきと懸念を示す企業もあります。
そのような流れの中、カニューレ取り扱いのために医療機器販売業許可を取得したり、販路を業務用のみに限定したりといった動きが見られるようになりました。また、カニューレを使用せずに直接口で吸引するタイプやヘッドセットを装着するタイプ、空気清浄機タイプ、ミスト美顔器タイプなどの製品開発も進んでいます。
水素吸入器は、クリニックで治療サポートとして導入が進んでいるだけでなく、治療院やエステサロン、リラクゼーション施設など導入する施設の幅も広がっています。
実際にどんな施設で導入されているのか知りたいと思っている方は、施設別導入事例を参照してみてください。